暑い季節がやってきましたね!夏休みの過ごし方はもう決まりましたか?
中学時代の私は家族旅行に連れて行ってもらう以外は、大半を家で過ごしていました。朝はゆっくり起き、夏休みにやっているアニメ特集や高校野球なんかを観て、ぐーたらする・・・。今思えば本当にもったいない時間を過ごしていたなと後悔してしまうくらいです(笑)
一方で私の兄弟たちは部活に明け暮れ充実した夏休みを過ごしていたので、羨ましく思っていた記憶もあります。夏休みの時間は同じだけあるのに、人によって過ごし方は大きく違ってきますよね(*^^*)
しかし同じなのは時間だけではありませんよ!察しのいい人はお気づきかもしれませんが、“宿題”は平等に出されます。
私のようにどれだけのんびりした時間を過ごそうが、はたまた部活や予定で忙しくしていようが宿題の量はみんな一緒です(笑)
そして夏休みを楽しく過ごすために、宿題はなるべく早く片付けておきたいという気持ちも同じはず・・・。
そこで今回は最近夏休みの宿題として出されることの多い、「詩」の攻略法について紹介したいと思います。
「詩」というと学校の教科書で読み、その内容について詳しくみていくことが多いと思いますが、“こうだ!”という定義もなく、わかりにくい存在ですよね。それを自分が書くとなると手の付け方がわからず困ってしまうものです・・・。
だけど大丈夫です!ここでお伝えするちょっとしたポイントをおさえるだけで、あなたも素敵な詩をつくることができますよ♪
夏休みの詩の宿題攻略法!「詩」とは?何を書けばいいの?ルールは?
「詩」といえば小学生のときから国語で勉強しますが、作品によって雰囲気が180度違ったりしますよね。
今ではあまり馴染みのない昔の言葉で書かれているものや、内容よりはリズムを楽しむものなど、“どっちも「詩」なの?”という疑問すら出てくるくらい・・・(+_+)
そのため書けといわれても、どのように書けば宿題としての「詩」になるのか迷ってしまいますよね?
詩を作るには、まず詩について知ることが1番の近道です。ここでは簡単に詩の基本的な知識についてお伝えしていきますね!
詩ってなに?
「詩」は簡単にいうと、言葉の組み合わせによる文学作品です。そして内容によっていくつかのジャンルに分類されているため、同じ「詩」というジャンルであっても作品によって受ける印象が全く異なってくるのです。
ここでは簡単に詩の種類についてまとめてみますね。
① 言葉の違い
・口語詩:現代の言葉を使って作られた詩
・文語詩:昔の言葉を使って作られた詩
② 形式の違い
・定型詩:使用する音数に一定の決まりがあるもの
・自由詩:特に音数のきまりがないもの
・散文詩:短い言葉で改行せず、通常の文章(散文)で書かれるもの
③ 内容の違い
・叙情詩:作り手の感動を中心とした詩
・叙景詩:見たものをありのままに描写した詩
・叙事詩:歴史を中心とした詩
このように言葉・形式・内容の違いのなかでも、さらに分類することができ、組み合わせ次第では色んなタイプの詩が存在することになります。そのため「詩」そのもののイメージがつかみにくいことも、実は無理がない話なのです(+_+)
しかし見方を変えてみると「詩」を作るために大きな決まりごとはなく、自分の思うままに作るだけで簡単に「詩」として成立するということにもなります!
なかには詩の形式が指定されている場合もあると思いますが、これらの内容を頭に入れておくと作りやすくなるので、参考にしていただけると嬉しいです♪
詩の作りかた
詩を作ることが難しくないということがわかったところで、いよいよ作り方についてお伝えしますね(*^^*)
① 書く内容(テーマ)を決める
“これについて書いてみようかな”と思えることをイメージし、紙に書いてみましょう。
せっかくなので夏休みに経験したことを選んでみてください。記憶にも新しいですし、書きやすいと思います!
② テーマに関係する言葉(キーワード)を考える
例えば「夏祭り」をテーマにした場合、「屋台」「焼きそば」「友達」「浴衣」など、「夏祭り」から想像できる言葉を思いつくだけ書き出してみましょう。
③ キーワードを含んだ短い文章を作る
こちらも例をあげてみると
・たくさんの「屋台」が出ていた
・「焼きそば」を食べた
・「友達」と一緒に行った
・新しい「浴衣」を着た
のように、体験したことを簡単な文章にしてみましょう。
④ 作った文章をまとめる
作った文章の順序を入れ替えたり、つなぎとなる文章を追加しながら、1つの物語になるようにまとめてみましょう。
「夏祭り」
新しい浴衣を身にまとい
いよいよ準備は整った。
玄関の扉を開けると
同じように着飾った君の姿が目の前に。
いつもと違うお互いの様子に
顔を見合わせて笑ったね。
家族以外と夏祭りに行くのは
今年が初めてで
今日までの日を
ドキドキしながら過ごした。
いつもは暗いあの場所も
今日ばかりは華やかで
あちこちにある屋台の灯りと
楽しそうな声で賑わっている。
風が運んでくる匂いにつられて
行きついた場所は
ソースが香る焼きそばの店
普通の焼きそばを食べているはずなのに
いつもより美味しく感じるのはなぜだろう?
夏祭りという場所だから?
大好きな友達と一緒だから?
来年も一緒に行こうね!
次は何を食べようかな?
というような感じでテーマを決めてキーワードを出し、文章を作って組み合わせるだけで、それらしい作品が完成します!
ちなみにこの作品は私が今思い付きで作っただけなので、いろんな感想があると思いますが温かい目で見守ってください(笑)
夏休みに体験したことをテーマにすれば、これよりもグッと素敵な作品が作れます!
あなたも気軽にチャレンジしてみてくださいね(*^^*)
参考サイト:http://www.shishupub.com/paper.html
詩の歴史と有名人
詩について勉強したついでに、詩の歴史についても少しお話ししておきたいと思います。
「詩」という言葉は明治になってから使われるようになり、西洋文学の影響から作られた「新体詩抄」などが起源と言われています。それまで日本では「詩」といえば漢詩のことを指していました。
しかし「詩」という言葉こそ使われてはいませんが、文字が発明される前から韻文を朗唱したり、節をつけて歌うことが人々のなかで楽しまれており、実際はこれらが詩のはじまりとされています。
そして詩がここまで文学として確立してされてきた背景には、有名な詩人の存在があります。
ここでは有名な詩人と代表作について少し紹介しておきますね(^^)/
・中原中也
代表作:「サーカス」、「汚れちまった悲しみに……」など
・金子みすゞ
代表作:「私と小鳥と鈴と」、「大漁」など
・谷川俊太郎
代表作:「生きる」、「ことばあそびうた」など
「汚れちまった悲しみに……」や「私と小鳥と鈴と」は子供向け番組の中でメロディーがつけられ、実際に歌としてうたわれています。
また谷川俊太郎氏は詩人だけではなく、有名なところでは「スイミー」や「スヌーピー」の翻訳もされているそうですよ!「ことばあそびうた」は、私が小学生の時に教科書に載っていて「かっぱかっぱらった…」と暗唱したこともあり、とてもなじみがあります(*^^*)
あなたの知っている作品はありましたか?見聞きしたことのある作品があれば、より詩を身近に感じイメージしやすいのではないかと思います(*^^*)
夏休みや夏に関する詩を書いてみよう!盛り込む夏らしい言葉や情景とは?
さきほども少しお伝えしましたが、せっかく夏休みの宿題として詩を書くのなら、夏休みや夏をテーマとした作品を作ってみましょう♪
作品作りのヒントとなるような言葉や情景の一例を、ここではお伝えしていきますね(*^^)v
<言葉(キーワード)>
夏、夏休み、太陽、海、水着、浮き輪、川、プール、山、昆虫、
そうめん、かき氷、わらびもち、冷やし中華、ソーダ水、すいか、
盆休み、終戦日、宿題、日記、
クーラー、扇風機(せんぷうき)、団扇(うちわ)、蚊取り線香、
朝顔、向日葵(ひまわり)、麦わら帽子
<情景>
花火大会、夏祭り、盆踊り、屋台、キャンプ、バーベキュー、流しそうめん、
海水浴、川遊び、昆虫採集、田舎(いなか)への帰省、旅行、
プール開放、平和登校日、夏バテ
ほかにも夏をイメージできる言葉はたくさんあるので、思いついたときにメモしておくと詩を作るときに役立ちますよ(*^^*)
夏休みの詩の宿題攻略法!中学生らしい詩を作るポイントは?
詩を作るポイントは?
詩を作るといってもここまで勉強してきてわかるように、なにも難しい言葉を使う必要はありません。中学生らしい言葉で体験したことや疑問に思っていることを、自分の言葉で表現すればほかにないオリジナリティーのあふれる作品を作ることができます。
大人になって読み返したときに、“あの時はこんな気持ちだったな”と思い出せるような作品を作ることを意識してみましょう。
それに加えて擬人法(ぎじんほう)や擬音語(きおんご)と擬態語(ぎたいご)の総称であるオノマトペ(擬声語)を使えば、詩の中にもっといい味が出てくるのでオススメですよ♪
・擬人法:人以外のものを人に見立てて表現すること。
例としては“風がささやく”“鳥が歌う”など
・擬音語:物が発する音や声を文字にしたもの。
例としては“ドンドン”“ワンワン”など
・擬態語:状態や心情など、音のしないものを音によって表したもの。
例としては“ドキドキ”“ニヤニヤ”“わくわく”など
親ができること
子供が素敵な詩をつくるために私たち大人ができることは、たくさんのいい経験や思い出ができる機会を作ってあげることです。
子供が詩の宿題で悩んでいる姿を見たらチャンスだと思って、一緒に出かけてみてください!(笑)
そして子供と一緒に過ごした時間を詩にし、ぜひ子供と見せ合いっこしてください♪
少し恥ずかしく感じるかもしれませんが、子供はもちろん親であるあなたも、楽しい時間となり素敵な思い出ができるでしょう(*^^)v
参考になる!夏・夏休みに関する詩が紹介されているサイト5選!
親守詩(おやもりうた)全国大会
親守詩は親から子供への“子守唄”に対し、子供から親への気持ちをつづる“親守詩”として、2004年に愛媛県松山市で誕生したそうです。
『かくれて盗み食い。お見通し。
かくれて長電話。お見通し。
かくれて大泣き。お見通し。
母は何でもお見通し。
たとえどんなにかくしても、やっぱり母にはお見通し。
悩んでいると肩を抱き寄せ、心の底から私に寄り添い温めてくれる。
そして静かに頭をなでてくれる。
そんな母が、私は大好き。』
こちらは中学生の女の子が作った作品で、第5回日本郵便株式会社特別賞を受賞されています。
母親から子供への愛、そして子供から母親への愛がたくさん詰まった、心温まる作品ですね♪子供はいくつになっても母親にはかなわないものだと私自身も思っているので、とても共感できました(*^^*)
全国大会が開催されているので、親をテーマにした作品を作ったときには応募してみるのもいいかもしれませんね♪
公式サイト:http://oyamoriuta-zenkoku.jp/index.html
第19回ともなり文芸祭り大賞作品
栃木県矢板市で毎年開催されている“ともなり文芸祭り”の大賞作品が掲載されています。詩のほかにも短歌や川柳などの部門が年齢別に設けられているので、見ごたえがあります!
「星」
夜空で生きる たくさんの星
どれもキラキラ輝いて
どれもとても美しい
なぜそれほど美しいの?
私は星に問いかける
光を届けるためだけに
何千年 何万年もの
時間をかけて
ずっと頑張って頑張って
全力をつくした
この瞬間のためだけに
そしてやっと光が届き
今 輝いている
だから星は美しい
たとえ明日輝くことができなくても
星を見るように上を向き
星たちのように
ずっとずっと頑張って
全力をつくすことができれば
いつかきっと
輝くその日が来るのだと
とても大切なことを
教えてくれた気がした
星が私に
こちらは中学1年生が作った作品で、第19回ともなり文芸祭りの中学生部門の奨励賞受賞作品です。
夜空に輝く星を見て、自分の未来にも希望を持っている様子がとてもよく伝わってきます!
大人になってくると未来に希望を持ちたくてもなかなか持てなかったりすることもあります・・・(笑)中学生らしく純粋なこの時の気持ちを、ずっとずっと忘れずに持っていてほしいです(*^^)v
公式サイト:http://www.city.yaita.tochigi.jp/soshiki/syougaigakusyu/tomonari.html
公益財団法人ひろしま文化振興財団
公益財団法人ひろしま文化振興財団は地域の文化支援をしている団体で、1990年から毎年“けんみん文化祭ひろしま文芸祭”を開催しています。
「メロンソーダ」
メロンソーダは緑色
緑色の湖の中に小さなつぶ
シュワシュワシュワ上がってく
小さなつぶがくっついて
落ちないようにへばりつく
まだまだ下から上に来る
おいでおいでこっちだよ
上から声がきこえてる
そして大きな穴にすいこまれてく
みんながみんな
いっしょにいればこわくなり
一生懸命シュワシュワと
こちらは中学1年生が作った作品で、2018年の入選作品です。
泡の様子を色んな表現を使って描くことで、まるで目の前にメロンソーダがあるように思わせてしまうところがスゴイです!そして読み終えた私は今、メロンソーダが飲みたくなっちゃいました(笑)
過去の作品も見られるようになっているので、時間のある時にでものぞいてみてくださいね♪
公式サイト:http://www.h-bunka.or.jp/zaidan/bungeisai/18/bungeisai.html
「楽しい子育て全国キャンペーン」~家庭で話そう!我が家のルール・家族のきずな・命の大切さ~
文部科学省と公益社団法人日本PTA全国協議会が主催のキャンペーンで、毎年三行詩が募集されています。家族で過ごすことの大切さをテーマにしているため、心温まる作品が多いです。
『俺のカバンは同級生のより古くてボロい。
そんなの構わない。兄ちゃんと姉ちゃんもこいつと通ったから。
そして、俺と一緒に卒業だな!』
こちらは平成30年度中学生の部で日本PTA全国協議会会長賞を受賞した作品です。
“学校の指定カバンが兄弟のおさがり”というのは中学生あるあるですよね!(笑)私は1番上だったのでいつも新しいものを用意してもらえたのですが、兄弟がいる友人は卒業した兄弟のおさがりを使っていました。
おさがりを使っている人はこの作者と同じようにカバンに愛着を持っている人が多かったので、子供心にも“兄弟仲良いんだな”と思っていたことを思い出させてくれました(*^^*)
このように忘れていた昔の気持ちを思い出させてくれるのも、詩を書く魅力の1つではないでしょうか?
公式サイト:
http://nippon-pta.or.jp/jigyou/rkra7f0000000haq.html
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1339107.htm
サトウハチロー記念「おかあさんの詩」全国コンクール
「おかあさんの詩」全国コンクールは、岩手県北上市で毎年開催されています。「おかあさん」の詩を最も多く書いた詩人であるサトウハチロー氏の影響を受け、「おかあさん」をテーマにした詩を作ることで「心の教育」をしていくことを目的にしている全国規模のコンクールです。
「母タイマー」
「まだ時間にならないの?」
母の声で、ハッとして時計を見る
もうすぐ三十分になる…
一回のゲーム時間は三十分
前からの両親との約束
たまに忘れたり、おまけしてもらうけど
僕と弟は守ってきた
母は時計を見ていないのに
家事をしていても
本を読んでいても
違う部屋にいても
もうすぐ三十分のタイミングで
大きな声で呼びかけてくる
「まだ時間にならないの?」
不思議に思って聞いてみたら、
いつまでゲームをやっているんだろう?と
イライラし始めるのが
ちょうど三十分のようだ
今日も言われた
「まだ時間にならないの?」
時計を見たら、まだに十分しかたっていない
母タイマー、くるったかな?と母を見たら、
弟がイタズラした時のような顔で
こっちを見て笑っていた
こちらは中学2年生が作り、第21回の入賞作品です。
ゲームってやり始めるとキリのいいところにならないと、なかなか終われないですよね(+_+)けれどそんなことはお構いなしに、お母さんはやってきます(笑)
日常の1コマを切り出してテーマにするだけでも、このようにクスッと笑える詩を作ることができますよ♪
公式サイト: http://www.okaasan-no-uta.jp/index.html
まとめ
詩を作るのは難しいというイメージを持っていた人も、同年代の人が作った作品を見ることで“自分でもできそうだな”と感じたのではないでしょうか?
どの作品も難しい言葉を使っているわけではなく、その時に感じ、思ったことを素直にそのまま詩にしています。中学生が詩を作るときには、この純粋な気持ちをより掘り下げて自分の言葉で表現すると、友達と差がつきますよ!(*^^*)
最後になりましたが、詩を作るときのポイントをまとめておきます♪
中学生らしい詩の作り方
① 楽しい体験や思い出をたくさん作る
② 詩にする内容(テーマ)を決める
③ テーマに合った言葉(キーワード)を選ぶ
④ キーワードを含んだ短い文章を作る
⑤ 作った文章をいい感じに並べ替え、まとめる
⑥ 完成!
夏休みに印象深かったできごとや日常のなかで疑問に思っていることを思い浮かべてみてください。そしてそれをあなたなりの言葉で表現すれば、それだけで立派な詩が完成しますよ!
充実した夏休みを過ごし、思い出として残る“とっておきの詩”を作ってみてくださいね(^^)/